2018年1月
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正社員の募集を再開
2018-01-30
2年くらい中断していた正社員の求人だが、このたび再開することにした。左の「スタッフの募集」からみてやって欲しい。12月中にはアップしたいと思っていたのだが、いろいろと検討事項があったのと、日々が慌しいのとでこんな時期になってしまった。
前回の求人の経緯も以前に書いたが、異常(!)に多い増産の要望に応えたいことと、雇用に耐えうる足腰の強い経営をある程度作り上げることができたことが求人再開の当時の理由だったが、このたびもこれらの理由は変わらずで、それに加えてもう一つ大きな具体的な目的がある。それは、作業受託にも力を入れようということである。
当面のことで言えば、まずは晩秋から初冬にかけての、うちの大豆の収穫・調整・出荷作業から。現在この作業はやさか共同農場さんにお願いしているが、先方のキャパがいっぱいのため、これを自前でやる。そして自然に大豆の増産が計られることになる。また他人の大豆を刈って回ることはそのうちそうなるだろうが、他にも稲刈りや草刈りや田植えなど、この過疎のド田舎にあるニーズを担っていく。今回募集する人には、ぜひ中心になってこれらのことを大いに切り盛りしてもらいたいのだ。
農業の仕事というのはただの作業員ではつまらない。ある程度自分の意思で段取りを組み、実行してみることで醍醐味は増す。「責任」ということもある程度ついて回るが、責任を背負って生きていきたいというくらいでないと、多くの農作業はそんな簡単に習熟できるものでもない。
他方では地味に、大豆以外の農産物の増産に貢献して欲しい。せっかく自然栽培に向く素晴らしい農地と、ここで育った作物がもっともっと欲しいという声がある。特に日本一美味いと多くの賞賛をいただいている「ごぼう」。この期待に応えないことには、人類にとって実にもったいないと言わざるを得ない。
前回の求人の経緯で書いた心配事の一つである「洪水のリスク」については、近いうちに国の「収入保険制度」が始まるため、それほどの脅威ではなくなると考えている。また地道な工夫の積み重ねにより、経営がそれなりに高いレベルで安定してきている。自然栽培をメインにした経営で大丈夫か、という声には、「もちろん大丈夫だ」と自信を持って答えさせてもらいたい。
とはいえ、給料は今より減るかも知れないし、都会で才能をフルに活かして活躍している人から見ると半減どころではないかも知れない。しかし田舎では、人によっては極上の生活を見出すことができる。ついでにここ江津市は、全国の今時の流れに漏れず、UIターン者は多いが、「よそ者」を積極的に応援する気質が生んだここ数年の動きは、その「業界」ではそれなりに注目されているらしい。(→★)
農業経験は問わない。私だって元々はド素人だ。食糧生産的な生き方に情熱を持ち、粘り強く自己研鑽できる人であるなら、経験なんかより、よっぽどそちらの方が重要なのだ。
農家の出でもなかった私が、造園や土木、教育業界などに関わったあと、実際に農業者になって素直に思ったことは、この農業という分野が実に素晴らしい世界であるということである。今度生まれ変わったって、100%農業をしたいと心から思う。その素晴らしさの説明があまりに難しくて(→★)、その理解が修業的(→★)であることにも、深い満足を得ている。
我こそはという人、門をたたいてみないか。誤解の多い「有機」でもなく、熱病のような「六次産業」でもなく、後方支援でもサポート役でもなく、当事者として愚直に農地と向き合い、自然界の本質と向き合い、本物の食糧生産に向き合う。自然栽培から学べる尊い気づきを活かし、それを周囲に伝えていく。そのために一生を捧げても、悔いは残らぬはずなんだが。
この3日間は断水している
2018-01-27
このたびの寒波は、我が家をてんてこ舞いにしている。
3日前、24日の夜からずっと断水状態なのだ。うちは上水は切っていて、山水に頼っている。初めは単純な管の凍結かと思っていた。翌日あの手この手で凍結箇所を特定しようとしたところ、何と敷地内に水が来ていない。つまり、我が家は小川を渡ったところにあるのだが、山水が本線から小川を渡って来ていないのだ。
菅は小川に架かる小さな橋に抱き合わせてあるのだが、しっかり防寒してあるのでちょっと考えにくいが、そのどこかが凍結しているのかと考えるしかなかった。しかし今日、それなりに暖かくてあちこちが、例えば井戸水のポンプとか溶解している。しかし山水だけは出ない・・!これは凍結以外の原因、例えば何かが菅に詰まったとかを考えるしかない。
我が家は井戸も併用しているが、井戸はポンプアップ式で、地下水位が高いとき、つまり降雨の続く時などにしか水が出ない。今はダメ。明日はいくらか雨予報だが、それなりに降ってくれれば井戸水が使えて、まずは断水状態から開放されそうである。が、その間に山水の復旧を考えなくてはならない。
断水のこの間のお風呂は実家でお世話になっている。しかしカルキ臭いのがやっぱり不満。やれやれ、極上の田舎暮らしを維持するのも決して楽ではない。
この冬一番の寒波
2018-01-24
事務所入り口からの眺め。赤い自販機までがうちの駐車場で、轍はさっき女房が出ていって付いたもの。
当地では強い冷え込みに加え、雪を伴っている。現在倉庫内の気温0℃、積雪12cm。積雪はまだ大したことがないが、気温が低くて積もるばかりなので、明日はどうなるかわからない。小学校は14時台に早々と明日の休校が決まった。おそらくこの冬一番の寒波になるだろう。比較的温暖な当地では、これ級のものは1年に1回くらいのものである。
そんななか、段取りで少し油断した。そういえばこの夏から軽トラックがなかった。それなりの大きさの荷物を運びたいが、軽バンでは無理だし、2台のトラックはノーマールタイヤだ。明日には運びたいのだがこれは困った。昨日のうちに運ぶべきだった。こんな初歩的な失敗をするとは・・。
出荷も失敗だ。特に関東は、あちらが大雪ということもうっかりしていた。前もって余裕をもって発送する必要があった。これは先方にご迷惑をかけそうだ。
いかんいかんいかん!もっとしっかりしなければ!と力んで悔やんでみるが、う〜ん、やっぱり慢性的な疲れのために集中力が下がっている気がする。他にどんな失敗をするかと自分で冷や冷やしているくらいだから、これではいけない。
畑の心配もあって、ゴボウの芽は寒さに強いが、あんまり寒いのが続くとさすがに枯れてしまうものが出てくる。今年は大体において気温が低めで、例年に比べそういう芽が多いから、このたびは明らかな追い打ちになりそう。
畑の方はどうしようもないから指をくわえて見ているとして、せめて私由来の失敗は、まずは気分転換をしようということで、来月の私の用事に合わせて、毎年恒例の家族旅行の決行を、さっき決めた。行先はまた、松山。多いんだよね、我が家の松山行きは。次男が初フェリー。きっと喜ぶぞ。長男が心待ちにしている大和ミュージアムは、その目の前にフェリーが寄港するんだけど、これはまた次の機会に。
今年の1回目の草取りマラソン
2018-01-23
今日は強風により、日課の草取りマラソンを中断している。トンネル内は当然無風なのだから、風の有り無しは関係なさそうなものだが、今日のように風が強くては、トンネルに入るときに明けた入り口からビニールが剥がされ兼ねない。現に午後の見回りで、入り口の抑えの土嚢袋が1棟ほど飛ばされてビニールが派手にバタついていた。あの重さの土嚢袋を押しのけるなんて、何という揚力かと思うが、その2個の土嚢袋は、1個が半分しか土が入っていなかったから、やはりそうか、土嚢2個で入り口を押さえるというのはそれなりに意味があるなと、13回目の実施にして図らずも確信することができた。
明日も強風でさらには低温の予報だから、マラソンは無理だろう。1回目のマラソンは推定であと28時間で終わる。今月中を目指していたが、この2日の停滞でちょっと無理そうである。
この1回目のマラソンについて、今年は3人で臨んで、年末までいた研修生がおよそ半分、先週来てくれていたタルマーリーのスタッフさんが1割、私が4割と、大体こんな割合になりそうである。例年、旧暦の年変わりまでに1回目を終らせる目安でやっているが、今年の年変わりは2月16日で、それから2回目のマラソンを始めていては、女房の手が期待できない状況では明らかに遅い。だからなるべく早く1回目を終らせようと出来る限りで頑張っているところ。
幸いなのは今やっている圃場の草がかなり少ないこと。ここは砂地が強くて毎回仕方なく有機肥料をわずかに元肥として使用する圃場だが、3年に1度のゴボウを作付けするたびに草が減っている。2010年の激発から始まってのこの変化は、とても興味深い。
新たなステージへ向けて頭を使っている
2018-01-22
相変わらず忙しく動き回る毎日だけれど、実はここ数日は考えるべきことが多い。ジッとして考える余裕がなく、常に動きながらのことになるが、車を運転しているときに考え込んで目的地を平気で過ぎてしまうのが困る。果たして信号機がたくさんあるようなところでは、すべてで止まれるだろうか。
実は新たに会社を作ることを考えている。農作業受託に関わるものだが、ついでに農業に志を持つ若者を利する取り組みにもしたい。当然それなりに投資がいるし、地域の今後の有り様と、その地域のニーズやそれとの関わりなども読まないといけないので、普通に頭が痛いのだ。まあ夢があって、楽しい痛みではあるが。求人のことが遅れを取っているのは、早く何とかしなければいけない。
子供よ、子供よ、子供たち。早く大きくなあれ。とまた、疲れているからボヤいてしまう(笑)。さて、あと20分もしたら、子らを迎えに行って、そしてまた夜が来る。最近ちょっと負担になっているのが、お風呂。
なにか、惜しいな
2018-01-17
ここ数日、またまた書く暇がない。疲れも相当溜まっていて、今、にわかにスイッチが切れたので、こんなものを書いている。
外は久々の、雨。このド田舎で土地利用型の、しかもそれなりの面積で農地を守る意図を前面に出しながら、かつ「ありきたりの野菜」の生産を「本物の」栽培方法によって行い経営をする、という一見無謀な取り組みを続けているからこそ見えてくるものがあって、しかしながらこの取り組みの価値は多くの人にとって日々に関係なく、伝わらないものだし、そもそもこれが無謀なことであることすら、実際に農業経営をする人以外にはまず分かってもらえない、などと、降る雨を眺めながら思うことだ。
まあ、いい。私は私が死ぬ頃に、この地域がある種の健全さをもって存続していることをまず目標にして、その一翼を担いたいのだ。その頃になれば、何事もなかったかのように皆に理解してもらえるだろうし、私自身はそれで一向に構わない。
しかしながら、大河のように、ゆったりだが確実に流れている時代の流れに気がつかない現状、そして逆らっても無駄なのに目先ばかり見て逆らっている現状は、惜しいね。私自身は一向に構わないけれど、気づいた時には遅い、ってのはどうなのか。けっして構わないなどとのん気にしてていいとは思えないのだ。
グッディの自然栽培里芋
2018-01-12
うちのゴボウは日本一高いともバイヤーさんに言われたことがあるが、それでもありがたいことにあちこちから仕入れていただいている。おかげで収穫量の一進一退を続ける中、採算を合わせて行けている。
今の農業を始めた頃から思えば考えられないことだ。まず初めの3年はゴボウが育たない。予期せずゴボウが育つようになって、値段の付け方も分からない、売り先もないと困っているところに、真っ先に手を差し伸べてくれたのが、出雲〜大田に7店舗展開するスーパーの「グッディ」だ。
営業さんが来社され、切ったり括ったりして、これでどうかと量目と値をつけてくれた。それも、え!?というくらいに高い値を。流し始めて、案の定、売れない。胃が痛い毎日。両親が私に内緒でサクラになって買ってくれたりしたのもこの頃。しかし次第に多くのお客さんに評価され売れるようになり、その6年後にはグッディさんの、とある大会で表彰していただくまでに。
もちろんグッディさんだけでうちのゴボウが吐けるわけではない。今では多くの常連の販売先さんにお世話になっているが、ここに至るまでに、高いと言われようと何と言われようと一貫して強気で押してきた値段が、このときの営業さんが決めてくれた値段。本当に今では感謝しかない。
そのグッディに、数年前から里芋を卸している。里芋は正直、採算を合わせるのに苦労して、よっぽどやめようかと思いながら続けてきた。そしてあるときまたまたグッディの営業さんが来て、うちに負担の少ないバラ出荷で買ってくれるという。それなら値段はというと、これがまた良い値で。そこでセオリーは無視して、近年はグッディさんにのみ出荷することにしている。
そして今年、予期せぬ豊作で困っているのだが、昨日営業さんが、「何とかしますよ」だって。う〜ん、理屈じゃない。あまりの嬉しい申し出で涙が出そうだ。
経営者として問題かどうかは、まあいいじゃないか。「はんだのゴボウや里芋があるからグッディに行く」とお客さんが思ってくれるくらいのものを卸したい。それが最大の貢献だろうから。もちろん競合他店には一切出さない。
リスクうんぬんだけが人生じゃないだろうよ。というわけで、この冬グッディで並ぶうちの里芋は自然栽培で8年繋いできたもの。どうか購入してもらいたい。
草取りマラソンが溜まってしまう
2018-01-10
昨日今日と草取りマラソンに入れなかった。明日は低温で無理(指が痛くてできない)っぽいし、あさっても怪しい。やりダメの利かない作業だから、こうなると焦るのよ。
頭の覚醒時に思うこと
2018-01-09
大方、出荷作業で午前中が過ぎ去った。
いやはや、出荷作業も現場に劣らず体力仕事だ。ようやく昼だ・・と事務所の椅子に倒れ込んだところ。出荷というのは体力だけでなく、気持ちも使う。今日は何かと配慮事が多く、慣れない私だから余計に気を使い果たしてしまった。
一方で普段やらないことをやるというのは、何かと新鮮な気づきや発見がある。これとてのんびりやっていたら絶対にダメで、ドタバタと光速(本人が思うほど能率は上がっていないが、そのつもり)で動くから、得られることである。イノベーションは追い込まれたときに起こるものだが、ここで言うのはそこまで大げさなものではなくて、ほんの些細な例だが、同じ方向のことではある。何事も研鑽中の者にとって、それが理解できるかどうか。
こうやって、昨日に続いて自慢話や説教臭くなってしまうのも、光速(しつこいようだが、つもり)の動きの中で私自身のエネルギーが高まって、脳が覚醒しているからだと言えなくはない。こんなときは、やたらと様々なことが「見える」気がして、実はこんなところで書くネタに困らない。時間がないから書けないだけのことである。しかし得るものがあれば必ず失うものがあるの典型で、確実に「見えなく」なっていることもあるはず。例えば、母が死ぬ当日の心の声が聞こえなかったことはそうではないか。
飛躍してまとめるが、こういうドーパミンが出まくっているような時にこそ、私は最近、人間のくだらなさとか、だらしなさとか、無力感などの否定的な側面を思ってしまう。昨日今日はまさにそんな日だ。そしてそういう日に、ありがたいことに草取りマラソンや、サトイモの調整などの単調なルーティンワークが待ち構えてくれている。可能な限り負担を減らしていきたい作業たちだが、今の私には相応かも知れない。
特技で凌いでいる
2018-01-08
我ながら良く働く。いろんなことが押していて、かなりまずいぞ、という気持ちが常に頭から離れないから、いきおい能率を最高にして動くべく気持ちを集中することになって、時間当たりのパフォーマンスが、自分で言うのもなんだが、今かなり高い。
うちがこの規模で経営をやっているので、よその農業者からよく驚かれる。農業者以外にピンとこないのは仕方がないが、ちょっと真面目に頑張っている農業者なら、うちの労働生産性というか労働当たりの作業スケールは、ちょっと考えられない規模だと感じるらしい。へん、ざまあみろ。効率高い作業の組み立てと「さばき」というのは私の最大の特技なのだ。数少ない特技の中で実生活に役立つ唯一にして最大のものだろう。そう誰にでも追随を許すものではない。
と、自分を奮い立たせるために、少し自慢をしてみた。その特技のおかげで急場の今を何とか凌いではいるが、経営者である以上、もっと高みからの視点が必要。その点で私は落第であるといえるだろう。
物事にはスピードが大切だ。と今の私は思わない。自然栽培を始めて、自然のスピードというものを意識するようになったから。あれこれ言いたい人は言えばいい。私は私の信じる道を進むのみだ。そうやってまずは20年後くらいを目指す。地味ながらも足腰の強い強靭な経営ができているんじゃないか。まだ石油もなくならず、私も生きているだろうし。
さ、昼飯休憩は終わり。昼飯休憩がそこそこに終れるように女房が弁当を作ってくれた。働け、働け。